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売買コラム

ジモートシルシルさん

コラム連載 第3回: 地区計画が資産価値と住環境を守る

2026.07.16   売買コラム   買いたい

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地区計画とは?住民全員で守る街のルールブック

今回は、美しい街並みと住環境、そして将来の資産価値を守るための「地区計画」について、実際に清洲駅前で定められているルールを例に詳しく解説します。

地区計画とは用途地域よりもさらにきめ細かく、地域の特性に合ったルールを定める仕組みです。

第2回では、区画整理によって道路・公園・インフラが一体的に整備されることをお話ししました。でも、せっかくきれいに整備された街も、建物のルールがなければどうなるでしょう?

ある日突然、自宅の隣にパチンコ店が建つ。向かいに大きな倉庫ができて日中ずっとトラックが出入りする。せっかくのマイホームが台無しですよね。 こうした事態を防ぐために存在するのが地区計画です。

地区計画ってどういう仕組み?

地区計画は、都市計画法に基づいて市町村が定める地区レベルのまちづくりルールです。全国一律の用途地域(住居系・商業系・工業系など)だけではカバーしきれない、そのエリア独自の環境を守るために、建てられる建物の種類・外観の色・塀のデザインなどをよりきめ細かく定めます。

ポイントは、自分の家だけでなく、隣近所すべてに同じルールが適用されることで、街全体の品質が長期にわたって守られることです。

マンション購入時に「管理規約がしっかりしているマンションは資産価値が落ちにくい」と言われますよね。地区計画は、いわば戸建て住宅地版の管理規約です。ルールがある=制限されるという見方もできますが、ルールがある=環境を誰にも壊されないという見方をすると、大きな安心材料になるのではないでしょうか。

清洲駅前の地区計画 ― A地区とB地区、2つのエリア

駅前の「賑わいゾーン」と住宅中心の「暮らしゾーン」、それぞれにルールが設計されています

A地区(駅前・賑わいエリア)
面積
約 2.9 ha
エリアの性格
駅前にふさわしい賑わいと利便施設の集積を図るゾーン
想定される街の姿
スーパーや飲食店、クリニックなど生活サービスが集まる駅前の顔
B地区(住宅・暮らしエリア)
面積
約 15.6 ha
エリアの性格
落ち着いた居住環境を最優先に守るゾーン
想定される街の姿
戸建てを中心とした閑静な住宅街。子育て世代が安心して暮らせる環境

A地区はいわば街の玄関口で、駅を降りたらスーパーやカフェなど、駅前の利便性を育てるエリアです。一方のB地区は区域の大部分を占め、静かで安全な住環境が守られています。土地を探しているファミリー層の多くは、このB地区に住むことになります。

建てられないものリスト

「何が建てられるか」より、「何が建てられないか」を知るほうが住環境を考えるうえでは重要です。清洲駅前の地区計画では、両地区共通で以下の施設の建築が禁止されています。

🚫 A地区・B地区 共通で建築できないもの
  • パチンコ屋
  • マージャン屋
  • ダンスホール
  • 自動車教習所
  • 一定規模以上の工場
  • ガソリンスタンド
🚫 A地区でさらに追加で制限されるもの
  • 倉庫業の倉庫
  • ナイトクラブ
※駅前の品格を保つため、A地区はB地区よりもさらに厳しい制限が設けられています。

いかがでしょうか。このリストを見て「当たり前じゃない?」と思った方もいるかもしれませんが、用途地域の指定だけでは、こうした施設の建築を防げないケースもあります。地区計画があるからこそ、用途地域の隙間を埋めて、住宅地にふさわしくない施設をブロックできるのです。そのため、清洲駅前で地区計画がしっかり定められていることは、この街で暮らす方にとって大きなアドバンテージとなります。

美しい街並みをつくる「意匠・構造ルール」

清洲駅前の地区計画がカバーしているのは、建てられる建物の種類だけではありません。建物の外壁の色や塀・フェンスのデザインまで、具体的なルールが定められています。

落ち着いた色彩で統一感のある景観

建物の外壁や屋根は、原色や華美な色を避け、落ち着きのある色彩にすることがルール化されています。周りから浮いてしまうような奇抜な建物を防ぎ、街全体が調和のとれた上品な景観になります。

ブロック塀をなくし、明るく開放的な外構へ

道路や公園に面する境界部分には、背の高いコンクリートブロック塀を設置することが原則禁止されています。その代わりに、植物を使った生垣や、向こう側が透けて見えるフェンスを採用することが定められています。子どもたちが歩く道も、明るく見通しの良い安全な空間になります。

制限がある街は資産価値が落ちにくい

不動産の世界には「立地は変えられないが、環境は変わりうる」という言葉があります。どんなに駅が近くても、周辺環境が悪化すれば土地の価値は下がってしまいます。逆に、環境の質が維持・向上していけば、資産価値もそれに連動します。

清洲駅前の地区計画は、約10.18ヘクタールの街全体に将来にわたって環境を守り続ける約束事を設定しています。地区計画のない住宅地では、隣に何が建つかは正直わかりません。用途地域の範囲内であれば、法的には問題なく建築できてしまうからです。

お客さまに「ここは隣にパチンコ屋が建つことはありませんよ」と根拠を持ってお伝えできるのは、地区計画があればこそです。

まとめ:地区計画は、未来のご近所トラブルを先回りで防ぐ制度

美しい街並みと良好な住環境が維持されることは、その街のブランド力が高まり、土地の資産価値が落ちにくいということでもあります。地区計画は、決して窮屈な制限ではなく、大切な財産を守るためのプレミアムな保証だと考えてみてくださいね。

次回は最終回!連載の集大成として、これまで学んできた知識をマイホーム購入の具体的な行動に落とし込むためのアクションプランをお伝えします。どうぞお楽しみに!

区画整理ことば辞典(第3回)

地区計画(ちくけいかく)

都市計画法第12条の4に基づき、市町村が定める地区レベルのまちづくりルール。建物の用途・形態・色彩・塀の構造など、きめ細かな基準を設けることができます。地区計画の内容に違反する建築は、建築確認の段階で認められません。

用途地域(ようとちいき)

都市計画で定められる13種類の地域区分(第一種低層住居専用地域、商業地域など)。建てられる建物の種類や規模の大枠を規制しますが、地区計画のようなきめ細かいデザイン制限まではカバーしきれない場合があります。

建ぺい率・容積率(けんぺいりつ・ようせきりつ)

建ぺい率は「敷地面積に対する建築面積の割合」、容積率は「敷地面積に対する延床面積の割合」。地区計画ではこれらの上限を用途地域より厳しく設定できる場合もあり、街全体のボリューム感を統一する役割を果たします。

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