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売買コラム

ジモートシルシルさん

【清須市の不動産売却】親が施設に入居したら実家はどうする?認知症リスク、税金対策を解説

2026.05.21   売買コラム   売りたい

こんにちは!清須市の不動産会社アシストです。 最近、「親の施設入居に伴い、空き家となる実家を売却して資金を作りたい」というご相談がありました。

こういった売却の場合、一般的なケースと違い「認知症による資産凍結リスク」や「税金特例の期限」など、知らないと数百万円損をしてしまう落とし穴が潜んでいます。

今回は、法的リスクへの対策、使える税金の控除など、親御様の施設入居と実家売却をスムーズに進めるための知っておくべきポイントを解説します。

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「親が認知症」だと実家は売れない?知っておくべき凍結リスクと対策

意思能力がないと売買契約は無効になる

日本の法律では、認知症などで判断能力(意思能力)が著しく低下している人が結んだ契約は無効とされます。

不動産の売買契約や決済(引き渡し)の場には、必ず司法書士が立ち会います。司法書士は、登記の手続きをする前に、必ず所有者である親御様本人に対して以下の確認を行います。

売却前の重要確認事項
  • この不動産を売ることを理解していますか?
  • いくらで売るのか知っていますか?
  • 売却することに同意していますか?

もし、親御様の認知症が進んでいて、「家を売るなんて聞いていない」「ここは自分の家だ」といった発言があったり、そもそも会話が成立しなかったりする場合、司法書士は手続きをストップします。本人の意思確認が取れない以上、売買契約を進めることは法律違反(無効)になるからです。

施設に入居してからゆっくり売ろうと考えている間に認知症が進行してしまい、いざ売ろうとした時には手遅れだった…というケースは、残念ながら珍しくありません。

成年後見制度(法定後見)の利用が必要なケースとは

では、すでに親御様の判断能力が不十分で、意思確認ができない場合はどうすれば良いのでしょうか? この場合、実家を売却する唯一の手段となるのが「成年後見制度(法定後見)」の利用です。

これは、家庭裁判所に申し立てを行い、親御様の代わりに財産管理を行う「後見人」を選任してもらう制度です。後見人がつけば、家庭裁判所の許可を得た上で、実家を売却することが可能になります。

ただ、この制度の利用にはいくつかの高いハードルがあります。

POINT 1
時間と手間がかかる

申し立てから後見人が選任されるまで、一般的に3〜4ヶ月程度の期間がかかります。「来月の施設費用の支払いに間に合わせたい」といった急ぎのニーズには対応できません。

POINT 2
専門家報酬などのコスト

親族が後見人になれれば良いのですが、財産額などによっては弁護士や司法書士などの専門家が選任されることがあります。その場合、月額数万円の報酬を(親御様が亡くなるまで)払い続けなければなりません。

POINT 3
「家族信託」などの事前対策との分岐点

よく比較される「家族信託」は、親御様が元気なうち(判断能力があるうち)にしか契約できません。 もし今、親御様との会話が成立し、契約内容を理解できる状態であれば、成年後見制度を使わずに家族信託などで対策できる可能性があります。しかし、すでに理解が難しい場合は、成年後見制度一択となります。

うちはまだ大丈夫と思わずに、親御様の様子が少しでも心配な場合は、早めに不動産会社や司法書士へ相談することをお勧めします。

【手取り額が変わる】実家売却で使える「3,000万円特別控除」とは?

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常であればその利益に対して約20%(所有期間が5年以下の場合は約39%)の税金がかかります。 しかし、一定の要件を満たせば、利益から最高3,000万円まで差し引いて計算できる「3,000万円の特別控除」という特例があります。これを使えるかどうかで、手元に残るお金が数百万円変わることもあります。

この特例は、「親が亡くなった後の相続空き家(被相続人の居住用財産)」の場合と、「親が存命中に売るマイホーム(居住用財産)」の場合で、適用ルールが異なります。

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」の要件

ニュースなどで「空き家を売ると3,000万円控除」と耳にする制度、正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」と言います。 これは、親御様が亡くなった(相続が発生した)後に、空き家となった実家を売却した際の利益から最大3,000万円を控除できる強力な節税制度です。

しかし、この特例は適用条件が非常に厳しく設定されています。「施設に入っていた場合」の特例を含め、必ずクリアしなければならない要件を網羅しましたので確認してみてください。

1. 建物の要件(大前提)
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること。
  • マンション(区分所有建物)ではないこと。(原則、一戸建てが対象です)
2. 被相続人(親)の居住要件
  • 相続開始の直前まで、親御様が一人で暮らしていたこと。(同居家族がいた場合は原則対象外)
★重要:施設入居の場合(老人ホーム入所等の特例)

親御様が施設に入居していた場合でも、以下の3つを全て満たせば「直前まで住んでいた」とみなされます。

  • 入居時に「要介護・要支援認定」を受けていること。
  • 入所していた施設が、老人福祉法などに規定された特定の施設(特養、老人ホーム、サ高住など)であること。
  • 施設入居から亡くなるまでの間、実家が「家財置き場等の用途」であり、他人が住んだり事業(賃貸など)に使ったりしていないこと。
3. 売却時の要件
  • 売却代金が1億円以下であること。
  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  • 引き渡しまでに「耐震リフォームをして現在の耐震基準に適合させる」か、あるいは「建物を取り壊して更地にする」こと。

このように、単に「空き家なら使える」わけではなく、「昭和56年以前の古い一戸建て」かつ「耐震性を確保するか更地にする」必要があります。

【親が存命の場合】「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の要件

親御様がご存命のうちに、施設入居資金などに充てるために実家を売却する場合は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(通称:マイホーム特例)」の利用を検討します。

先ほど解説した「相続空き家特例」に比べて、適用のハードルが低いのが特徴ですが、こちらもクリアすべき必須条件があります。

1. 居住の要件(期限)
  • 親御様が現在住んでいる家屋を売ること。
  • または、施設入居などで住まなくなった場合、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売ること。
2. 売却相手の要件
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却ではないこと。

「親の実家を子供(あなた)が買い取って、代金を親に渡す」という形の売買では、この特例は使えません。第三者(全くの他人である買主様や不動産会社)へ売却する必要があります。

3. 建物の要件
  • 築年数の制限はありません。
  • 「耐震基準への適合」や「建物の取り壊し(更地化)」も必須条件ではありません。
★ここが相続特例と大きく違う!

相続空き家特例(被相続人〜)では「昭和56年以前の旧耐震基準」のみが対象でしたが、このマイホーム特例なら、比較的新しい家でも、逆に古くてボロボロの家をそのまま売る場合でも適用可能です。

4. 重複利用の制限
  • 前年や前々年に、この特例(3,000万円控除)や、マイホームの買い換え特例などを受けていないこと。

このように、親御様がご存命のうちに売却する方が、建物の築年数や状態を問わずに特例が使えるという大きなメリットがあります。 特に、「建物は古いけど解体まではしたくない」「昭和57年以降に建てた家だ」という場合は、相続を待たずに生前に売却した方が、税金面で有利になるケースが多いです。

ポイント:施設に入居してから「3年」がリミット

例えば、親御様が2025年4月1日に施設に入居(転居)したとします。 この場合、住まなくなった日から3年後は2028年4月1日です。その属する年の年末、つまり2028年12月31日までに売却(引き渡し)を完了させなければ、この3,000万円控除は原則使えなくなってしまいます。

「とりあえず施設に入って、実家はそのままにしておこう」と放置し、気づけば3年以上経っていた…というケースでは、税金の特例が受けられず、数百万円の損をしてしまう可能性があります。 節税の観点からも、施設入居と実家売却のスケジュール管理はセットで考える必要があります。
※税制は複雑で、個々の状況によって適用可否が異なります。詳細な判断については、必ず税理士や管轄の税務署へご確認ください。弊社でも税理士のご紹介が可能です。

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