【大家さん必見】賃貸を「DIY可」にするメリットと注意点!空室対策やトラブル防止の秘訣
2026.06.08 貸借コラム 貸したい

最近、弊社に寄せられたご相談で「リフォームにお金がかけられないが、事情があって売ることもできない物件なので、入居者さんの自由にしてもらって良いからなんとか貸し出したい」というものがありました。
人口減少や新築物件の増加により、賃貸経営の競争は年々激化しています。売れない・貸せない・直せないという三重苦とも言える状況で、空室対策の新たな一手として導入する大家さんが増えているのがDIY可(カスタマイズ可能)な賃貸物件です。
この記事では、DIY可賃貸のメリット・デメリット・トラブル防止のためのルール作りまで、わかりやすく解説します。
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目次
国交省も推奨する「DIY型賃貸借」とは?
国土交通省は、増え続ける空き家問題の解消や、既存住宅の流通促進を目的として「DIY型賃貸借(借主負担DIY型の賃貸借契約)」という契約形態のガイドラインを策定・推奨しています。
DIY型賃貸借の基本的な仕組みは以下の通りです。
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工事費用の負担
入居者(借主)が全額負担してDIY工事を行う。
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事前の取り決め
どこまで手を入れて良いか(構造に関わる部分は不可など)、事前に大家さんと入居者で合意形成を行う。
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退去時の原状回復
DIYで施工した部分については、退去時の「原状回復義務を免除する(元に戻さなくて良い)」、あるいは「大家さんがその造作物を買い取る義務(造作買取請求権)を放棄する」という特約を結ぶ。
導入前に知っておくべきデメリットと想定されるリスク
最も警戒すべきは、建築のプロではない入居者の施工によって、建物自体に深刻なダメージを与えてしまうリスクです。
知識不足から、外壁に貫通するような深い穴を開けてしまい雨漏りが発生したり、キッチンや洗面台など水回りの配管に手を出して階下への漏水事故を起こしたりするケースが考えられます。また、建物の強度を保つために重要な柱や梁(構造耐力上主要な部分)や、電気配線を誤って傷つけてしまう危険性もあります。
表面的な壁紙や床材の変更とは異なり、建物本体やインフラ設備に関わる重大な損傷は、修復に高額な費用がかかるだけでなく、建物の寿命を縮める致命傷になりかねません。
DIY型賃貸借では「退去時の原状回復義務を免除する(元に戻さなくてよい)」特約を結ぶことが一般的ですが、これが退去時のトラブルの火種になることがあります。
例えば、入居者の趣味が強く反映された奇抜すぎる色のペンキ塗装や、素人目にも安全性が疑われるグラグラな造作棚などが残されていた場合は、そのままでは次の入居者を募集できず、結局大家さんの費用負担で撤去・再リフォームを余儀なくされます。
また、DIYに使用した木材の端材やペンキの空き缶などがゴミとして部屋に残置され、処分費用を巡って敷金精算時に揉めるリスクも想定しておかなければなりません。
一棟貸しの戸建てであれば比較的リスクは低いですが、アパートなどの集合住宅でDIYを許可する場合、作業中の騒音・振動・臭いによる近隣トラブルに注意が必要です。
電動ノコギリやインパクトドライバーといった電動工具の稼働音や、壁に釘を打ち込む振動は、壁や床を伝って想像以上に周囲へ響きます。また、塗料や接着剤の強い揮発臭が原因で、隣室からクレームが入る可能性があります。 夜間や休日の早朝に行われる作業による騒音問題がこじれると、DIYとは無関係な他の優良な入居者がストレスに耐えかねて退去してしまう、本末転倒な事態を招く恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐ!DIY可賃貸を成功させるルール作りのポイント
DIY可賃貸を始めるにあたり、一般的な賃貸借契約書をそのまま使用するのは危険です。一般的な契約書は「原状回復(入居時の状態に戻すこと)」を大前提として作られているためです。
そのため、国土交通省が公表しているガイドラインなどを参考に、「DIY型賃貸借」に特化した契約書、あるいはDIYに関する詳細な特約条項(合意書)を作成します。特約の中で、工事のルール、費用の負担区分、退去時の取り扱いなどを明文化し、契約締結時に書面でしっかりと入居者と合意形成を行うことが、後々の言った・言わないのトラブルを防ぎます。
建物の安全を守るためには、DIYを許可する範囲と絶対に手を出してはいけない範囲を明確に線引きする必要があります。
例えば、「クロス(壁紙)の張り替え」「クッションフロアの敷設」「壁への棚の設置や塗装」など、表面的な内装工事については自由に行っても良いと許可をします。
一方で、建物の強度に関わる「柱や梁などの構造耐力上主要な部分の改変」、漏水リスクのある「キッチンやトイレなどの給排水管工事」、火災の危険がある「電気配線工事」、そして「外壁や屋根への穴あけ」などは、致命的な事故に繋がるため、「原則禁止」または「専門業者による施工のみ可(大家の事前承認必須)」と定めます。図面を用いて、手を入れて良い箇所を視覚的に共有することも効果的です。
退去時の精算トラブルを防ぐために、特約で必ず定めておきたいのが「造作物の取り扱い」についてです。
法律上、入居者が大家さんの同意を得て取り付けた造作物に対しては、退去時に大家さんへ買い取りを請求できる「造作買取請求権」という権利が発生する場合があります。これを防ぐために、契約書には「造作買取請求権を放棄する」旨を明記します。
また、「物件の資産価値の向上範囲と考えられるものについては、DIYで設置・施工した部分は原状回復義務を免除し、退去と同時にその所有権を大家(貸主)に無償で譲渡する」という一文を入れることで、DIY部分をそのまま残し、次回の募集時に付加価値としてアピールすることができます。ただ、事前協議や承諾なく取り付けた造作物のうち、明らかに粗悪で危険な造作や、次の募集の妨げになる著しく奇抜な施工については「大家の判断により、入居者負担で撤去・原状回復を求めることができる」という防衛策も併記しておくべきです。
入居者が思いつきで勝手に工事を始めてしまうのを防ぐため、事前申請制を導入しましょう。
DIYを行う前に、どのような工事を、どの部分に、どのような材料で行うのか、簡単な図面や計画書を提出してもらいます。大家さん(または管理会社)が内容を確認し、問題がないと判断した場合にのみ承諾書を交付することで、物件の資産価値を著しく損なうような施工を未然にブロックできます。
【地域情報】清須市周辺におけるDIY可賃貸の需要と実態
清須市は、名古屋駅まで電車で数分〜十数分という非常にアクセスの良いベッドタウンです。そのため、名古屋市内に通勤・通学する単身者から、子育て環境を重視するファミリー層まで、幅広い世帯が暮らしています。
一方で、名古屋市内ほどの爆発的な需要があるわけではなく、清須市内の賃貸市場を見ると、新築・築浅物件は設備の充実度や外観の新しさを武器に集客できる一方、築20年以上の物件はリフォームの有無や家賃の安さが主な訴求ポイントになっているケースがほとんどです。
そのような市場環境のなかで、DIY可という条件は、競合物件との違いを出すためのひとつのアプローチになり得ます。現時点では清須市内でDIY可を明示して募集している物件はほとんどないため、DIYに関心がある特定の層の目に留まりやすくなる可能性があります。また、立地や建物の状況によっては、ペット飼育可など他の条件と組み合わせることで、募集の幅を広げることができます。
まとめ:空室にお悩みの大家さんへ!DIY可物件としての募集を検討しませんか?
築古物件の空室期間が長引き、リフォーム費用はかけられない、かといってさまざまな事情で売ることも難しいと八方塞がりの大家さんにとって、DIY可賃貸への移行は、物件をなんとか活用するためのひとつの選択肢となります。 決して空室がたちまち埋まるような魔法の解決策ではありませんが、資金をかけずに現状を動かすきっかけになるかもしれません。
DIY可物件としての活用に少しでも興味のある大家さんは、ぜひ一度、当社にご相談ください。清須市地域密着の不動産会社として、オーナー様の状況に寄り添いながら、DIYがその物件の活用方法として本当に適しているのかも含め、リスクを抑えた現実的な導入プランをご提案いたします。
参考資料
制度の詳しい仕組みや実務については、国土交通省が発行している以下の資料もぜひご参照ください。
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